多忙な研修マネージャーの5つの誘惑

成功する企業語学研修プログラムの設計と実施は、複雑で時間のかかる作業です。成功したならば、このようなプログラムは企業に大きな結果とパフォーマンス向上を提供することできます。しかし、仕事量が増え続ける中で研修マネージャーは、学習者だけでなく上級管理者からも疑問視されてしまうような、トレーニングの効果を損なう一連の罠に陥ることがよくあります。以下では、多忙な研修マネージャーによくある誘惑と、それを回避する方法をご紹介致します。

言語障害がそもそもないという認識

よく見られる初歩的な誤認として、言語トレーニングは全く必要ないと思い込んでしまうことが挙げられます。労働者がDuolingoやGoogle翻訳などのツールを利用できるのであれば、正式なトレーニングを受ける必要はないと考えがちなのです。また、国際化が企業の戦略計画にない場合、語学研修は見過ごされがちです。当然ながら、研修計画は組織の当面のニーズに焦点を当てる傾向にあるからです。しかし、急速に変化する情勢の中では、予期せぬ買収や合併などが企業の言葉の欠陥をすぐに明るみに出します。

第二言語の習得は、一朝一夕にできるものではありません。Google翻訳のようなツールは、初歩的な言語の壁を克服するための方法にはなり得ますが、それはターゲット言語の真のマスターに代わるものではありません。したがって、研修マネージャーは、語学研修への投資を怠ったことによるコストを回避し、計画プロセスに長期的なアプローチを採用するように努めるべきです。良い出発点として、突然第二言語での運用が必要になった場合に、組織がどの程度対応できるかを自問自答してみましょう。例えば以下の観点から注目してみましょう。

  1. 1. 行われるコミュニケーションのうち、どれくらいが英語で行われていますか?
  2. 2. 国際組織との間で売買する商品やサービスはありますか?
  3. 3. 言葉の解釈を誤ることに、どの程度の影響や危険を及ぼしますか?(一文を誤認したがために影響される生死や数百万円の契約書・発注書など。)

セットアップ時の手抜き

クライアントとの最初のミーティングでは、研修マネージャーが予定より大幅に遅れていて、早急にプログラムを導入しなければならないという話をよく耳にします。このような時間的なプレッシャーがあると、時短のために初期設定のプロセスで手抜きをしたくなることがあります。

・初期診断の時間がない?学習者に自己診断してもらおう。

・正式リリースの時間がないのか?プロバイダーが学習者に簡単な歓迎メールを送らせればいいだけです。

・マネージャーが忙しくて手が回らない?承諾なしで進めればいい。

どれも非常に効果的な時間短縮策ではありますが、効果に悲惨な影響を与えることもあります。これまでの経験から、企業が初期設定時に投資額を増やした方が、一貫して良い結果が得られることがわかっています。学習者がトレーニングにコミットするために必要な時間とスペースを確保してプログラムを成功させるために、契約書を通じた学習者への明確な期待の設定し、提供者・企業・学習者の役割と責任の確立し、マネージャーの承諾を得ることは、必要不可欠な要素です。

期待される結果を並べ、そこに至るまでに必要なステップを理解して初めて、実際にチームメンバーを巻き込んで有意義なプログラムを展開することができるようになるのです。

万能ソリューションを期待して

語学研修の必要性を明確にすることは、重要な一歩です。その上で、各学習者の具体的なニーズや目的を定義することは、多忙な研修マネージャーにとってはあまりに大きすぎる一歩である場合があります。そんな時に、学習者をレベル別にまとめた上で、単一の万能ソリューションを提供したいという誘惑に駆られてしまいます。その結果、学習者には無関係なトレーニングが多く提供され、定着率が不振に陥ります。

サッカーチームのメンバー全員に同じトレーニングプランを提供するようなコーチはすぐに職を失うでしょう。ポジショニングに改善が必要なゴールキーパー、1対1の状況で失敗し続けるフォワード、最近の試合でパスの精度が落ちたミッドフィルダー、それぞれに単一のトレーニングをさせる。その非合理的対応は、会社の経理部、セールスフォース、ITチームに同じ語学研修プログラムを提供するのと同じなのです。

すべての受講者には、特定のニーズ、目的、強み、弱みがあります。それらを定義し、個人に合わせた学習プランを設計することは、Voxyを用いればトレーニングマネージャーにとって時間のかかることではなく、かつ、学習者の定着と全体的な結果に大きな影響を与えることができるのです。

プログラムを自走させる

優秀の研修マネージャーでさえ、セットアップ中には多額の時間を投資するものの、プログラムが稼働してしまえばプログラムのことを忘れてしまい、プロバイダーの手に委ねてしまうという罠に落ちてしまいます。プログラムを成功させるためには、経営者が一部始終に関与し続けることが不可欠なのです。

これを実現する簡単な方法は、プロバイダーからの標準的な月次報告書だけに頼るのではなく、利害関係者が閲覧できるリアルタイムのデータにアクセスすることです。トレーニングマネージャーと経営者が、チームのパフォーマンスに関するトップレベルの指標を確認し、情報に基づいたタイムリーな意思決定を行うことができれば、企業の投資効率を最大化することができます。

プログラム全体を通して意思決定者の関与を高めるためのもう一つの方法は、明確に定義された期待値(上記ポイント2参照)を元にプロバイダーが提出する結果報告にて、毎月または四半期ごとに報告会を設けることです。このような会は30分以上である必要はなく、研修マネージャーが継続的に参加することで、介入が手遅れになってしまうような厄介なサプライズが最後に出てくるのを避けることができます。

満足度は測定してもROIは測定しない

研修マネージャーがプログラムの成果に責任を持つようになってきたことから、多くの人がカークパトリックの学習評価モデルに注目しています。しかし、多くはその一段階目である、コース終了時のアンケートによる学生の満足度測定までしか行わない。

残念ながら、学生が満足しているからといって、必ずしも投資収益率が上がるとは限りません。学習者の定着を促進するための重要な要素ではありますが、真に成功したと言えるプログラムは、測定可能な結果と組織にとっての目に見える利益を実証することができます。それがコミュニケーションの効率化であっても、外国人顧客への売上の増加であっても、ROIに基づいて成功を測定できるプログラムを設定することが重要です。

これを達成するにはいくつかの方法があり、それぞれの組織は、彼らにとって最も重要なプレイヤーに基づいてROIを測定したいと考えるでしょう。これらの期待に応えられるような設計、実装、レポーティングを設定するためにも、プロバイダーとの最初のミーティングの時点でROIが議題にあることが重要です。

ジャパンマーケットパートナー と Voxy がどのようにして、研修マネージャーがこれらの5つの誘惑を避け、成功する結果重視の言語トレーニングプログラムを提供するためにどのようなサポートをしているのかを知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

voxy.com 投稿日2020年8月13日ジョセフ・ウィリアム